切れない人付き合いからの脱出

人付き合いが怖い状態から抜け出せました。

シンデレラコンプレックス

シンデレラコンプレックスを提唱したコレット・ダウリング女史が彼女自身のこの逃避の模様を、どんなに勇敢に述べているかを引用してみよう。

 

「大地や花、数多くの部屋、窓辺の小さな座りよい腰かけ、居心地のよい炉ばたに部屋の隅々。

久しぶりの安堵の中でわたしは、よき子ども時代の最もあざやかな思い出として人々の心に残っているような住まいをつくりはじめていた。

巣をつくると、そのまわりをたくさんの羽毛や綿でくるみ、冷たい外気をよせつけないようにした。

そして、自分もその中へ隠れたのである」

 

ダウリング女史のこの逃避から、一つ重要なことがわかる。

あるカウンセラーは自分の臨床経験から推理するのだが、この時、ダウリング女史はピーターパン人間ではない男性とかかわっていたのではないか。

にもかかわらず、彼女は”母親役”に逃げ込んだのである。

 

つまり、ここでの教訓は明らかだ。

ウェンディになることで安らぎを見い出そうとする女性心理は、もともと相手の男性にピーターパン人間になる素質があるかないかに関係なく起こるということだ。

 

事実、女性には無意識のうちにピーターパン人間を求める傾向が見られる。

一方、彼の目的は母親代わりの女性を得ることにある。

こうして二人は、いくぶん神経症的だが、ピッタリお似合いのカップルになってしまう。

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愛ゆえに見えなかったこの盲点を、ここで見つめ直してみると、ピーターパン人間と少しも変わらない思考の魔術が、女性の中にも働いている。

つまり、ピーターパン人間は、魔法の粉を使って「ないない島」に飛んでいくが、ピーターパンを愛する女性たちも、自分をシンデレラに変身させてくれる魔法の杖をいつも待ち望んでいるのだ。

 

シンデレラは、自分が忍耐と犠牲を払っているなら、いつかはきっとおとぎ話の馬車が迎えに来てくれると思い込んでいる。

この馬車が、彼女たちを苦役と孤独から救い出してくれるにちがいない、というわけだ。