ピーターパン人間には長男が多い。
これまで記録したケースでは、82%が長男だった。
まず、どの家庭でも初めての子どもは育児の”実験台”であると同時に、家族全員の注目の的だ。
最高の、時にはむちゃくちゃな期待を寄せられて育つ。
ささいないたずらや失敗にも両親は大袈裟に落胆し、それにつれて本人もがっかりする。
つまり、長男は隠されたメッセージの最初の標的になる。
「不安」とは、何かを選んでしなくてはならないのに、何をしてもうまくいかないように感じてしまう心理状態である。
ピーターパン人間たちはこの種の不安で悩まされている。
彼らは、両親の不和から流れだす隠されたメッセージを読み取って、うまくいってないのは人付き合いが怖い自分のせいだ。
両親を救う道を発見しなくては、と思う。
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しかし、彼らがそのまま人生にとどまろうとするかぎり(死ぬのなら別だが)、このワナから抜け出す合理的な方法はない。
不安が長引くと、各種の好ましくない副作用が生じる。
両親から拒否されたという感情が広がり、母親には怒りと罪悪感、父親には隔たりを感じる。
こうした苦しみや痛みを解決する手っ取り早い方法が、思考の魔術による頭や心の麻痺である。
自尊心や自己概念(セルフ・コンセプト)は、立ち直れないほどの損傷を受けてしまうが、とにかく、これしか彼の生き延びる道は残されていないのだ。