切れない人付き合いからの脱出

人付き合いが怖い状態から抜け出せました。

人間関係が怖い症状

なにか悩んでいる様子なのに、話し合おうとしない

 

《してはいけないこと》

・告白しろ、と詰め寄る。そうすると彼はますます引きこもる。

・心理分析したり、彼の心を読み取ろうとする。「自信がないから、悩みが多くなるのよ」など。

・”腰抜け””弱虫”とののしったり、渾名をつけ、からかったりする。

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《なすべきこと》

・あなたが不安に思っていることを話す。

・ただし、私が話したのだから、あなたも、と強制してはならない。

・自己主張の練習の相手役をかってでる。

・自分が何を恐れているかについて考えさせ、ほかの見方もあることを教える。「明日のことを怖がっているみたいだけど、あなたみたいに素敵な男性が怖がるのは、なかなかいいものよ」などと。

シンデレラコンプレックス

シンデレラコンプレックスを提唱したコレット・ダウリング女史が彼女自身のこの逃避の模様を、どんなに勇敢に述べているかを引用してみよう。

 

「大地や花、数多くの部屋、窓辺の小さな座りよい腰かけ、居心地のよい炉ばたに部屋の隅々。

久しぶりの安堵の中でわたしは、よき子ども時代の最もあざやかな思い出として人々の心に残っているような住まいをつくりはじめていた。

巣をつくると、そのまわりをたくさんの羽毛や綿でくるみ、冷たい外気をよせつけないようにした。

そして、自分もその中へ隠れたのである」

 

ダウリング女史のこの逃避から、一つ重要なことがわかる。

あるカウンセラーは自分の臨床経験から推理するのだが、この時、ダウリング女史はピーターパン人間ではない男性とかかわっていたのではないか。

にもかかわらず、彼女は”母親役”に逃げ込んだのである。

 

つまり、ここでの教訓は明らかだ。

ウェンディになることで安らぎを見い出そうとする女性心理は、もともと相手の男性にピーターパン人間になる素質があるかないかに関係なく起こるということだ。

 

事実、女性には無意識のうちにピーターパン人間を求める傾向が見られる。

一方、彼の目的は母親代わりの女性を得ることにある。

こうして二人は、いくぶん神経症的だが、ピッタリお似合いのカップルになってしまう。

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愛ゆえに見えなかったこの盲点を、ここで見つめ直してみると、ピーターパン人間と少しも変わらない思考の魔術が、女性の中にも働いている。

つまり、ピーターパン人間は、魔法の粉を使って「ないない島」に飛んでいくが、ピーターパンを愛する女性たちも、自分をシンデレラに変身させてくれる魔法の杖をいつも待ち望んでいるのだ。

 

シンデレラは、自分が忍耐と犠牲を払っているなら、いつかはきっとおとぎ話の馬車が迎えに来てくれると思い込んでいる。

この馬車が、彼女たちを苦役と孤独から救い出してくれるにちがいない、というわけだ。

父親コンプレックスへの対策

父親へ

家庭の規則をもっとよく吞み込んで、必要に応じて父親の権威を示す。

ただし、いつも自分だけ善人ぶって、人気取りにうつつをぬかしてはならない。

息子と二人で楽しめることを探す。

ただし、仲よくなろうとするあまり、お金を使いすぎるのはよくない。

お互いに楽しければ、それでよい。

昔、息子と同じように恥ずかしい思いをした時のことを話してやれば、息子は父親の人間的な面に触れるようになる。

人付き合いの礎を築く大切な行動だ。

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あなたが内心抱いている男尊女卑的発言は、息子の耳に入れないように気を付けたい。

母親へ

けっして「お父さんが戻るまでお待ちなさい」と言ってはいけない

”隠されたメッセージ”はすべて控えるのは当然として、息子を自分たち夫婦の問題に巻き込まないようにする。

思考と感性のアンバランスがトラブルを産む

ピーターパン人間の両親から一つ学んだ。

あまり愉快なことではないが、それが本当なのもまた確かである。

実は夫婦が不仲なとき、不満の口火を切るのは、いつも妻なのだ。

女性たちは通常、自分たちの感情をすぐ表に出す。

というのも、女性は自分の感情生活を大事にするようにしつけられ、人間的な感情を豊かに表現せよと育てられてきたからだ。

女性たちは、いつも自分の感性について考えることをとても大切にしている。

一方、男性の場合は、むしろなんらかの感情が起こっても、それをすぐさま論理的な認識に変えるという形で、自分の感情を抑制してしまう術を学んできたはずだ。

男性は、大脳で感じるようになっている。

思考と感情のこのアンバランスは、ピーターパン人間に出会った親たちにとって、まことに深刻なものになる。

父親は問題をひたすら冷静な論理で解決できるものと信じているし、母親はその反対に、情緒的な苦痛でいっぱいになり、あまりにも感情本位なために、かしこい戦術を見失ってしまう。

ママは、パパを感情が足りないといって批判し、パパは、ママをあまりにもヒステリックだといって非難する。

だが、二人とも問題を自分一人だけで完結する力を欠いているのだ。

不幸なことに、人間は、自分を改善しようとする代わりに、感情的な苦痛ばかり訴える。

彼らは、変化というものはなんでも、ものごとを悪化させると思い込んでいるかのようだ。

しかも女性は、家庭内のもめごとに苦痛を感じる度合いが高いために、とくに女性の側にこの傾向が強い。

そのために、彼女たちは、しばしば自分の夫が冷たくて無神経だと言っては怒る。

彼女たちは、自分たちが傷つけられているだけでなく、自分を愛しているはずの夫によって、なにか欺かれているように感じて、さらに腹を立てることになる。

一方、自分の妻や子どもたちについて、絶望的な気持ちを抱いている人付き合いが怖い男たちが多いのも事実だ。

人付き合いが怖い人の克服法

しかも彼らの多くは、自分の感情を正しく理解することができない。

はなはだ奇妙なことだが、これらの男たちは、自分が何を感じているのかさえわからなくなっている。

ピーターパン人間の父親の多くは、彼らの息子と同じような感情不能症にかかっている。

これらの男たちは、実は長年の間、ピーターパン軍団の一員だったのだ。

ピーターパン軍団の主流派にならないですんだ唯一の理由は、この父親たちが働く能力を身につけているためだ。

しかし、その分だけ彼らは過剰なワーカホリックに陥っている。

不幸にも、それだけが彼らの誇りにできるただ一つのことになっている場合が多い。

もしこのような男が子どもたちの父親であれば、あなた方の夫婦関係の崩壊に歯止めをかけるためには、もっと詳しいことをいろいろ知らなければならない。

思春期の怖さからの抜け出し

人付き合いに悩むランディとカウンセラーのやり取りとりである。

ランディ「女性を愛せないからだと思うよ。本当にできない。だから、こうなるより仕方ないのさ」

カウンセラー「女性を愛せないだなんて、言っちゃだめだ。それは間違いだ。できるんだけど、問題はキミが彼女たちに愛されるのを嫌がっていることだよ。それなのにキミは、自分が愛せないと思っている。それより、キミが彼女たちにとって、もっと親しみやすい男になるのが早道だ。まるでキミは、自分からつくり出した孤独という名の牢屋に閉じ込められているみたいだ。キミが、うすっぺらな女の子たちの褒め言葉で傷ついた自我をマッサージしてもらいたがっている間は、とてもそこから逃げ出すわけにいかないな」

ランディは、この私の厳しい現実直視を結構、楽しんでさえいる様子だった。

彼に本当のことを伝えることこそ、最大の治療なのだ。

ランディは、しばらく沈黙していた。

そしてこの、とりわけ実りのある面接の締めくくりとして、これからどうしたよいかに目を向けて、彼はカウンセラーにこう尋ねた。

「抜け出す方法はないもんでしょうか?」

そうだ。これから何週間も、ランディの心の苦悩の原因と処方を、二人で一緒にもっと考えていかなくてはならない。

彼の怠惰やだらしなさ、傷ついたプライド、それに躾のなさなどについて。

どうして彼が父親と疎遠になってしまったのか、そのわけや、母親に対する怒りと罪悪感の混ざり合った複雑な気持ちについても、徹底的に理解しなければ。

そして、彼のあの無責任さも!

もし、人付き合いが怖いランディがいままで自分の問題に対峙するのを避けるために費やしてきたその半分の時間だけでも、問題解決に使ったら、いまのこの生活態度から抜け出すのも遠い先のことではない。

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すでにランディのピーターパンシンドロームは、危険段階にまで進行している。

まさに彼は、絶望と希望の相半ばする事態に直面している。

完全さを求めるという幻想を支えていた鏡が割れ、ショービニズムの荒っぽさが、対人関係で残酷なまでに冷ややかな態度を取らせる。

これが、絶望的な見通しの理由である。

しかし、まだこの危機の段階においてすら、これまでランディについて見てきたように、それまでの生活の決定的な転換をはかるチャンスは残されている。

これが希望的な見通しの根拠である。

専門家であるにせよ、友人であるにせよ、この危機にあるピーターパン人間に、誰かがよき助けを与えるなら、彼らは「ないない島」から脱出する最初の、しかも、とても重要なステップを踏み出すことができるにちがいない。

結婚がうまくいかな新婚妻の夫との人付き合いの悩み

結婚生活がうまくいかない妻とカウンセラーのやりとりである。

 

妻「彼、大嫌い。でも、嫌うなんてよくないことよ。だから今日、こうして相談に来たのです。自分の亭主を憎んだりしたくありませんもの」

カウンセラー「彼、ここへ来ると思う?」

「ええ、一度は来るでしょう。おそらく何も問題はないって言うでしょうけど。私が文句を言うのを止めればいいのにって」

「止められる?」

「たぶん。でも、そんなことしたら、私、自分の要求を何も通せなくなるわ」

「こんなやり方で要求を通すの楽しい?」

「楽しかったら、相談なんかに来ませんよ」彼女は、彼女なりの結論に達した。

「そう、こんな無駄な騒動は止めたほうがいいね。でも、あなたがピタリと文句を言うのを止めたら、今度はマークが自分の問題に取り組まなくてはならなくなるわけだ」

「そうなったら、私は何をしたらいいのかしら」

母親ぶるのを止めること。彼が抱えている問題をあなたが心配することも、自分を責めることも止めること。彼のマッチョぶったショービニズムにも動じないこと

「彼の何ですって?彼がショービニスト(男尊女卑論者)だなんて、思ってもみませんでしたが」

「たぶん、以前は見せないようにしていたのでしょう。しかし、彼のいまの状態を、他に何と呼んだらいいと思う?

彼の行動基準には男性用、女性用、いつも二通りあるし、とても冷酷で、差別意識まる出しですよ。

あなたに役目を押し付け、ワーカホリックになって、あなたより偉いんだと見せつけたり。友達とビールを飲んで騒いでいる間、あなたを家にしばりつけておこうとしているではありませんか」

「ほんと、そう言っていただくと、ずいぶんひどい話だわ」

「夫のマークには、まだ私の知らない優れた点がきっとあると思いますよ。でも、彼のショービニズムは気に入りませんね。ちょっと手荒なやり方だが、やっぱり彼にこのことをわからせないといけない。マークが私の話を少し聞いてくれたら、これ以上、悪くなる前に食い止めることができると思いますよ。

そうなったら、あなたも彼を助けてあげることができるでしょうしね」

「人付き合いの怖い私が?」

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「ええそうです。しかし、彼のママになってはいけません。罪悪感でコチコチのダメな女の子になってもいけません。しっかり希望と夢を持って、彼のショービニズムに屈服しないことです。マークを愛しているのなら、できるだけのことをするまで諦めるのは待ってごらんなさい」

「でも、もし彼が二度目から来なくなったら?」

「そうですね、だとしたらどうする?」

「そうなったら、彼をもっともっと愛するわ。まだ数ヵ月なんですもの。昔のようになるチャンスはこの先いくらでもありますよね」

「さあ、それはむずかしいかもね。それより、あなたが自分の気持ちにもっと正直になるほうがいいと思いますがね」

相談者のジェニファーは席を立ち、二、三歩歩いてからドアのところで振り返って言った。

「お願いですから、彼を傷つけないで」

カウンセラーは微笑んで、「はい、お母さん」と言って、ウインクした。

彼女はドッと笑いだした。

「あら、わたし、またやってしまったのね」

カウンセラーは、はげますように「そんなに自分を責めないで、ジェニファー。愛情を信じて、そのとおりにしたらいいのですよ。いつかかならず、あなたの愛情がショービニズムをやっつける日が来ますよ」と応えた。

ナルシシストな人のやりとり

五分ほどナルシシストの19歳の彼のまとまりのない話を聞いたところでストップをかけ、一見、筋道のある対話にもどした。

そこでいつ、イエスの救いを見い出したのか、と質問した。

なんでも、大学一年の半ば頃だという。

では、キリストがなぜデニー聖霊をつかわし、代弁者にしたのかと話題を変えてみた。

それに対してデニーは、自分にもよくわからないけれど、神は、われわれが現実と考えている現実が本当の現実ではないことを、のちのちに知らせるためにではないかと、彼のいろいろな推理を説明しはじめた。

本当の現実とは、死後、天国か地獄によって示されるものだとも言った。

「ちょっと待った。今、生きているのは現実の世界ではないというのかい?」

「絶対ちがうよ。神さまは、われわれに試練の時を与え、来世に望ましいのは誰か、じっと評価していらっしゃるんだ」

「フーン、まるで神さまは宝くじを当てるみたいなことをやってるんだね」

「あなたも、ほかの人と同じだ。肉欲と退廃で腐りきっている。信仰を持った人達を惑わそうとしている。あなたには、ぼくの魂は理解できない。神と悪魔を見分けるのはむずかしいけれど、今の僕には直感でわかる」

そう言うと、また、しばらく深遠な神学の思索で私に説法を聞かせはじめた。

彼の言葉は一般にはナンセンスだったが、言葉以外におもしろい発見があった。

彼は私に喋りつづけていたのだが、ふと、私はその時、彼がひっきりなしに顔を撫でまわすことに気がついた。

そんな動作で自分の表情を覆い隠せるとでもいうのだろうか。

「なぜそんなに顔を撫でるの?」と、医師は聞いてみた。

彼は、それを聞くと、ギクッとして、「どうってことないよ。悪い癖さ」と答えた。

「何から隠れようとしているの?まるで、神さまがこの現実でない世界でキミにお与えになったその顔が気に入らないみたいだね」

これには、さすがあの彼も黙ってしまった。

どうやら、図星だったらしい。

「でも、でも、気にならない?ニキビだらけなんだ。みっともないだろ?」

みるみる涙が目に滲んだ。

「みんな、醜いと思わないかもしれないけれど、自分ではちゃんとわかる。

それがどんなに醜いか、ボクにはわかっているんだ人付き合いが怖いんだ」

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「みんなって、誰のこと?」

「うん、ほかの人達のことだよ。みんなって、言うだろ?」

「いや、それだけでは漠然としていてわからないね。ただ私が思うに、キミが言っているみんなっていうのは、本当は女の子のことだね」

彼は一瞬、顔を赤らめて、こう言った。

「うん、まあ、そんなとこかな」

「女の子、好き?」

一段と赤くなって、「うん」。